ガイド
24 時間ジムでできる HYROX の代替トレーニング
近くに Sled や Wall Ball が使えるジムがなくても、一般的な 24 時間ジムのトレッドミル・ケーブル・ダンベル・レッグプレスで、8 種目の「動き」と「きつさ」は練習できます。
大会の量と重さ
HYROX は「1km 走る → 種目を 1 つ」を 8 回くり返します。個人(Singles)では、走る距離(合計 8km)と種目の距離・回数はどの部門でも同じで、違うのは種目の重さです。
| 種目 | 女子 | 男子・女子 Pro | 男子 Pro |
|---|---|---|---|
| SkiErg | 1,000m | 1,000m | 1,000m |
| Sled Push 50m | 102kg | 152kg | 202kg |
| Sled Pull 50m | 78kg | 103kg | 153kg |
| Burpee Broad Jump | 80m | 80m | 80m |
| Rowing | 1,000m | 1,000m | 1,000m |
| Farmers Carry 200m | 16kg×2 | 24kg×2 | 32kg×2 |
| Sandbag Lunges 100m | 10kg | 20kg | 30kg |
| Wall Balls 100 回 | 4kg・2.7m | 6kg・男子 3m/女子 Pro 2.7m | 9kg・3m |
種目ごとの代わりの器具
SkiErg
ケーブルを高い位置にして、両手で上から太ももまで引き下ろす。腕だけで引かず、お尻を後ろに引いて股関節も一緒に曲げる。軽めの重さで、休まず 20〜30 回 × 4〜5 セット。
ないときは: ケーブルが空いていなければ、ダンベル プルオーバー。
ポイント: 大会の 1,000m は 4〜5 分続く。回数より「同じリズムで長く続ける」ことを練習する。
Sled Push
レッグプレスを中〜高重量で 15〜20 回。すぐにトレッドミルを最大傾斜にして、1〜2 分力強く早歩き(ふらつくときは手すりに手を添える)。これを 4 セット。
ないときは: レッグプレスがなければ、ダンベルを持ったブルガリアン スクワットか、スミスマシンのスクワット。
ポイント: Sled の重さは床(カーペット)の摩擦で大きく変わり、代わりの器具では再現しにくい。本番の前に一度は実物を押しておきたい。
Sled Pull
ケーブルを低い位置にして、足を前後に開いて腰を落とし、脚で踏ん張って引く。重りに引き戻されない重さにして、後ろに体重を預けすぎない。片手ずつ交互に引く動きも混ぜると、大会でロープを手繰る動きに近づく。12〜15 回を 4〜5 セット。
ないときは: ケーブルがなければ、ダンベル ベントオーバー ロー。
ポイント: 大会では後ろ向きに歩いて下がりながら引く。腕より脚と体重で引く感覚を持つ。
Burpee Broad Jump
スペースがあれば前に跳ぶ。なければバーピーのあとに、その場で立ち幅跳びの動作(腕を振って高く跳ぶ)。20〜30 回を 3 セット。
ないときは: ジャンプできない場所なら、バーピーだけ+スクワットジャンプを少し。
ポイント: 大会は 80m で 25〜40 回ほど。息が上がっても同じテンポで続けられる回数を知っておく。
Rowing
24 時間ジムにはローイングマシン(漕ぐ有酸素マシン)がないことが多い。座って引くケーブル ロー(座面は動かない)を軽めにして、膝を軽く曲げて足で踏ん張り、上体は起こしたまま肩甲骨を寄せて引く。30 回 × 3〜4 セットを休み短く。ローイングマシンがあれば、大会と同じ 1,000m をレースのペースで漕ぐ。
ないときは: ケーブルが埋まっていれば、エアロバイクを強めに 4 分(大会の 1,000m とほぼ同じ時間)。または軽めのダンベル ベントオーバー ロー 20〜30 回 × 3 セット。
ポイント: 大会の 1,000m は 4〜5 分続く。ローイングマシンでは「脚で押す → 体を起こす → 腕で引く」の順で漕ぐが、この感覚はケーブルでは身につかない。ローイングマシンのあるジムで一度は 1,000m を漕いでおきたい。
Farmers Carry
大会と同じ重さのダンベルを両手に持ち、館内で歩ける場所を往復する。20〜24kg までのダンベルは多くのジムにある。
ないときは: 歩けないときは、その場で 60〜90 秒持ち続ける。握力が落ちてからもう 30 秒。
ポイント: ほとんど握力の勝負。ダンベルを置く回数を減らすことが目標。
Sandbag Lunges
大会の重さに近いダンベル(10kg なら 5kg × 2)を肩に担ぐか胸の前で持ち、前に進む。後ろの膝が床すれすれになる深さまで下ろす(硬い床に膝をぶつけないよう、触れるならマットの上で軽く)。20〜30 歩を 3〜4 セット。
ないときは: 歩く場所がなければ、左右交互のバックランジ。バーベルを担ぐやり方でもよい。
ポイント: 大会は Sandbag を首の後ろの肩に担ぎ、後ろの膝が毎回床に触れないとやり直しになる。途中で Sandbag を床に置くとペナルティなので、置かずに進み切る練習をする。
Wall Balls
ダンベル 2 つ(合計でボールと同じくらいの重さ)を肩で持ち、しゃがんで立ち上がる勢いで頭上に押し上げる。20 回 × 5 を、休みを短く。
ないときは: 肩が痛くて頭上に押し上げられないときは、ダンベルを胸の前で持つゴブレット スクワットを高回数で。メディシンボールがあるジムなら、投げずにボールを持ってスラスターをしてもよい。
ポイント: 一般のジムではボールを壁に投げられないことが多い。投げて受ける感覚と、的の高さ(2.7m / 3m)は実物でしか練習できない。
そのまま使えるメニュー 3 本
A. 種目の持久力
後半の種目(ランジ・Wall Ball・Farmers)で止まらない体を作る。
- トレッドミルで 10 分軽く走って温める
- ダンベル スラスター 25 回 → ウォーキングランジ 20 歩 → 立ったままケーブル ロー 15 回 → Farmers Carry 60 秒
- 休みは種目の間に入れず、1 周ごとに 2 分。これを 3〜4 周
B. 疲れた脚で走る
種目のあとの 1km でペースが落ちないようにする。HYROX の時間の半分ほどは走りなので、いちばん効く練習。
- トレッドミルで 10 分軽く走って温める
- トレッドミル 1km(レースのペース) → レッグプレス 20 回 + 傾斜ウォーク 1 分
- トレッドミル 1km → ウォーキングランジ 20 歩
- トレッドミル 1km → ダンベル スラスター 30 回
- トレッドミル 1km → Farmers Carry 60 秒。毎回の 1km のタイムを書き残す
C. 通しの練習
大会と同じ順番と量に近づけて、ペース配分と補給を確かめる。本番の 3〜4 週間前に 1 回。
- トレッドミルで 10 分軽く走って温める
- トレッドミル 1km → 代わりの種目を 1 つ(量は上のカードの 1 セット分ほど、大会に近い回数にする)。大会の順番(SkiErg → Sled Push → Sled Pull → Burpee → Rowing → Farmers → Lunges → Wall Balls)で 8 回
- 種目の前後で立ち止まって休まず、歩いて移動しながら息を整えてすぐ次に入る(館内は走らない)。大会の Roxzone(ランと種目の間の移動区間)の練習になる
- 最初は前半の 4 種目だけでよい。慣れたら 8 種目を通す
1 週間の組み方
- 週 3 回なら: ゆっくり長めに走る日(30〜40 分)/ メニュー A か B / 速めに走る日(1km × 4〜5 本を、レースより少し速いペースで。間に 2 分休む)
- 週 4 回なら: 上の 3 つに、メニュー B をもう 1 回足す
- 大会の 3〜4 週間前: メニュー C で通しを 1 回。種目ごとのタイムを書き残して、遅い種目を残りの週で重点的に練習する
- 大会の 1 週間前: 練習の量を半分ほどに減らし、疲れを抜く
24 時間ジムで練習するときの注意
- トレッドミルは傾斜を 1% にすると、外を走る感覚に近くなる
- トレッドミルから降りるときは、ベルトを止めてから。走りながら飛び降りない
- ダンベルを持って歩く・ランジで進む・バーピーをするのは、ジムが許している場所だけ。だめなら「ないときは」のやり方に切り替える
- 器具をいくつも同時に押さえるとほかの利用者の迷惑になる。混む夕方を避けて、空いている時間帯にやる
- ボールを壁に投げる、器具を床に落とす、チョークを使うのは、多くの 24 時間ジムで禁止されている
Sled と Wall Ball だけは、代わりの器具ではどうしても感覚が違います。本番の前に一度は、ビジター利用できる HYROX 対応ジムで実物を触っておくのがおすすめです。Sled があってビジター利用できるジムを探す
回数・重さ・時間は目安です。体調や経験に合わせて減らしてください。ジムのルール(器具の持ち出し、走ってよい場所、トレッドミルの使い方)に従ってください。